最終更新日:2007年1月19日
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[遺伝子組み換え]
■GM作物栽培面積の増加を自画自賛 推進団体報告
国際的なバイオテクノロジー推進グループISAAA(International Service for the Acquisition of Agri-Biotech Applications)は1月18日、世界の遺伝子組み換え作物栽培に関する年次報告を公表した。
この中で、2006年には世界で1億200万ヘクタールの農地でGM作物が栽培され、1千万人以上の農民が従事したと分析している。栽培面積は、米国で480万ヘクタール、ブラジルで22%増の1150万ヘクタール、インドでは約3倍の380万ヘクタールに増加したとしている。そして、次の10年間に遺伝子組み換え作物の栽培は加速度的に増加し、2015年には40カ国、2億ヘクタール、2千万人規模になると予測している。
国 | 栽培面積 [百万ha] | 栽培品目 |
---|---|---|
米国 | 54.6 | Soybean, maize, cotton, canola, squash,papaya, alfalfa |
アルゼンチン | 18.0 | Soybean, maize, cotton |
ブラジル | 11.5 | Soybean, cotton |
カナダ | 6.1 | Canola, maize, soybean |
インド | 3.8 | Cotton |
中国 | 3.5 | Cotton |
パラグアイ | 2.0 | Soybean |
南アフリカ | 1.4 | Maize, soybean, cotton |
ウルグアイ | 0.4 | Soybean, maize |
フィリピン | 0.2 | Maize |
オーストラリア | 0.2 | Cotton |
ルーマニア | 0.1 | Soybean |
メキシコ | 0.1 | Cotton, soybean |
スペイン | 0.1 | Maize |
この発表の数時間前、グリーンピースは遺伝子組み換え作物の10年は「反対が引き続く10年」であるとするプレスリリースを発表した。この中で、IASSSは栽培面積の増加はバイオテクノロジーの勝利だと主張するかもしれないが、違法なGM米汚染やインドにおける農民のGM反対運動の高まりは、そうしたバラ色の分析とは裏腹な現実であると反論している。
・Greenpeace, 2007-1-18Friend of the Earthも1月8日に2006年度の年次報告を発表し、GM作物は農薬使用を増加させ、環境には有益でもなく、長期的には使えないものになるだろうと分析している。
・Friend of the Earth, 2007-1-8今回のIASSSの報告書(要約)は、米国のワタ農家で問題となっているスーパー雑草の増加も、世界的に問題となっているGM米汚染も触れることなく、バラ色の分析を振りまいているだけである。