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1月30日のCapital Press Agriculture Weeklyは、米国てん菜業界がラウンドアップレディてん菜の作付け準備が整ったと報じている。これによると、米国のてん菜業界は90年代、消費者の反発を恐れGMてん菜を棚上げしていた。しかし、経費と労働問題の前にてん菜業界は必死にならざるを得ず、GMてん菜の作付けに流れようとしているという。大きな問題は、砂糖に加工された場合、GMなのか非GMなのかが識別できない点だという。
・CAPITAL PRESS AGRICULTURE WEEKLY, 2007-1-30このてん菜が遺伝子組み換え品種化されようとする一方、米国小麦協会も遺伝子組み換え小麦の導入を進めようとしている。1月30日のCapital Press Agriculture Weeklyは、小麦業界の“攻勢”を報じている。モンサント社は2004年、製パン業界や日本を含む消費者の反対に、ラウンドアップ耐性小麦の商業栽培を諦めた。しかし現在、米国小麦協会と全国小麦生産者協会の共同バイテク委員会は、シンジェンタ社の遺伝子組み換えによるフザリウム耐性小麦を導入しようとしている。同協会は、カナダとオーストラリアの業界団体に呼びかけを始めているという。
バイオエタノールブームによるトウモロコシ栽培へのシフトにより小麦の栽培の減少が始まり、小麦業界は“追い詰められている”と考え、攻勢に出ようとしている。米国小麦協会の海外担当副理事長は、どんな品種を栽培するかを一方的に決めることを含め、小麦産業は攻撃的に行動しなければならないと考えていると言う。そして、日本に関して、いくつかの輸入業者が、もしラウンドアップ耐性小麦が商業化されたなら、米国産小麦の供給をやめるとしたことに関して、「何を植えろと言う権利は彼らにはない」と断言したという。
・CAPITAL PRESS AGRICULTURE WEEKLY, 2007-1-30砂糖に関しては米国からの輸入は3千トン程度にとどまっている。しかし、年間約500万トン輸入される小麦はその6割が米国からの輸入であり、残りもカナダとオーストラリア産である。これら3カ国が小麦に遺伝子組み換え品種を導入に踏み切った場合、大豆やトウモロコシのように少なくとも5%の混入を覚悟せざるを得ないだろう。米国小麦協会の発言のように、すでに足元を見られていると認識すべきだ。農業が衰退し、自給率回復の兆しも術も失った国には、彼らのいうように、もうすでに「選択権」は残されていないのかも知れない。