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1月31日のケニア・The East African Standardは、米国の財団による“援助”がアフリカの農業の脅威になっていると報じている。
1月にケニアのナイロビ開催された世界社会フォーラムに参加したアフリカの70のNGOの代表は、「アフリカに対する緑の革命のための提携(AGRA:Alliance for a Green Revolution for Africa)」と呼ぶビル・ゲイツ財団とロックフェラー財団の新たなイニシアチブは、アフリカの農業を高価で、有害な化学製品やハイブリッド種子によるモノカルチュア(単一作物栽培)や、最後には遺伝子組み換えに依存するシステムに、シフトさせようと1億5千万ドルを受け入れさせようとしているとし、次のように語った。
種苗の多様性と農民の知恵によるアフリカの富が、そのイニシアチブの脅威に曝されている。アフリカは、世界の農業知識と生物多様性の多くの源であった。しかし、これらのイニシアチブは、従来の方法による生産性の本当の成果を過小評価し、アフリカの飢餓に対処できないであろうし、世界が有機農業の必要性を理解しているのに一度に襲い掛かってきている。生物多様性や知識や適応能力が最も必要とされるときに、これらの基礎を破壊するだろう。いわゆる緑の革命や遺伝子革命へのこの努力は、アフリカの飢餓を解決するという口実の下にもう一度実行されている。化学農業は、化学肥料が土を殺し、土壌侵食や土から水を奪うというすでに時代遅れなものだ。
・The East African Standard, 2007-1-31ビル・ゲイツ財団といえば、かのマイクロソフトの上がりをつぎ込んで作った財団。そして財団といえば“善意”で寄付や援助しているかのような錯覚に陥りやすい。しかし、このNGOの警告のように、その“援助”がもたらすものが化学農業やモノカルチュア、遺伝子組み換え作物の導入であれば、結果的にはモンサントやシンジェンタなどのGM−農薬企業の跳梁の基礎を作り出すことであるし、生物多様性の破壊に象徴される地球環境の破壊ということになるだろう。その結果が容易に予想できる以上、単なる“善意”ではない、と考えざるを得ない。