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米国のDes Moines Registerは8月15日、米国の有機農家と加工業者が中国産有機大豆の信頼性について疑念を持っていると報じている。米国は約7千万トンの大豆を生産(2007年度見込み)しているが、その多くが遺伝子組み換え品種となっている。その一方で、2007年には167億ドルと見込まれる米国内の旺盛なオーガニック需要の増大(前年比約20%増)により、有機大豆の米国内での調達が難しくなっている。有機大豆の不足分は中国などからの輸入に依存せざるをえないという。
有機大豆は、豆乳や豆腐などに加工されるとともに、有機の鶏や豚のエサとして使用される。米国の大豆業者や加工業者、一部の農民は、中国の有機大豆が米国の有機認証基準を守っているか疑念を持っている。
米国の大豆業界団体(United Soybean Board)理事長のRoy Bardoleは、アジアの米国有機認証の圃場で、農業労働者が噴霧器を背負って歩いていたのを見たと証言する。「除草剤や殺虫剤を使った“有機栽培大豆”を輸入しているかもしれない。それは米国の規則に反していて、米国の生産者に対してフェアでない」という。
輸入業者と認証機関は、中国の農場も米国同様の検査を受けているという。米国農務省は、米国の認証を受けている中国の農場と加工工場を抜き打ち査察し認証期間の記録を調査するとしている。
有機生産協同組合のOrganic ValleyのDavid Bruceは、米国の有機認証された中国産の有機大豆を信用しないという。彼は、組合員に米国内で栽培された大豆だけを使い、輸入有機大豆は使わないように指示しているという。
・The Des Moines Register, 2007-8-15有機のトリ肉や豚肉は、有機栽培の飼料を与えられることが条件となっている。そのため、有機農産物の需要増大に伴い、飼料用の有機大豆の需要も増大せざるを得ない。“ジャンク”ともいえる遺伝子組み換え大豆にシフトしている米国が、そうした“ジャンク”大豆を日本などに輸出する一方で、中国産とはいえ有機大豆を輸入せざるを得ないという矛盾が起きている。世界的な食料争奪戦争の中で米国は、“ジャンク”農産物を輸出しつつ、有機農産物を世界中からかき集めている、ということでもある。
日本でも2005年、有機畜産物と有機飼料に関する有機JAS規格が制定されている。その規格では、飼料は主に有機の飼料を与える、野外への放牧など、ストレスを与えずに飼育する、抗生物質等を病気の予防目的で使用しない、遺伝子組換え技術を使用しない、などが定められている。一応はコーデックスの基準に準拠しているというが、日本の畜産業界の現状を見すぎているという批判もある。日本における有機畜産の主要な問題は、有機飼料の確保にあるだろう。
・農水省