英国ソイル協会は6月25日、家畜に広がるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)について警告するプレスリリースを発表した。この発表によればオランダでは2004年7月、家畜にMRSAが初めて発見された。最近の調査ではブタの40%、子牛の13%とかなりのニワトリがMRSAを保菌していて、ブタの飼育農民の50%が感染しているという。さらに、オランダで市販されている豚肉の20%、ニワトリの21%、牛肉の3%からMRSAが見つかったとしている。
農水省は6月25日、モンサント社の高リシントウモロコシLY038系統について資料としての安全性が確認されたとして意見募集を始めた。締切りは7月24日。食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会での審査はこの5月25日に終わっている。
シンジェンタ社GMトウモロコシMIR604
食品安全委員会遺伝子組換え食品等専門調査会は6月18日、シンジェンタ社の遺伝子組み換えトウモロコシMIR604(商品名 Agrisure RW)について審査を終え、評価書(案)を食品安全委員会に報告することとなったという。この評価書(案)の詳細はまだ明らかになっていないが、おそらく安全であるとして承認手続きに入ると思われる。
茶番劇の幕開けか
農水省は6月25日、米国産牛肉について日米の実務担当者による技術的な会合を6月27日に開くと発表し 、食品安全委員会プリオン専門調査会は、第45回となる同調査会を6月28日に開催すると発表した。
農業資源研究所で説明会
農業資源研究所は6月22日、同研究所の隔離圃場で実施する今年度の花粉症緩和GM米の栽培に関する説明会を7月3日に開催すると発表した。今回の説明会は事前申込みは不要。発表によれば、7月下旬に隔離ほ場に田植え、10月下旬に収穫し、さらに来年3月まで越冬性の調査を行うとしている。
米国の食肉加工大手のタイソン社は、同社が出荷する全ての生鮮鶏肉を抗生物質を全く使わないで飼育したものに転換すると発表した。同社の発表では、消費者の91%が生鮮鶏肉について、抗生物質を使わないで飼育することが重要であると考えているとし、消費者主導の転換を強調している。
EU統計局(Eurostat)は6月12日、EUにおける有機農業の概要についての統計結果を公表した。EU15ヶ国の有機農地は1998年の1.8%から2005年に4.1%まで倍増したと発表した。また、2005年のEU25ヶ国の有機農地は合計612万ヘクタールに達したとしている。
Times(電子版)は6月1日、EUが豚とニワトリを原料とする肉骨粉の飼料化に向けた研究を行っていると報じた。これは、豚由来の肉骨粉をニワトリに、ニワトリ由来のものを豚の飼料として“再利用”することを目的としているもので、170万ユーロ(約2億8千万円)の資金を投じているという。バイオ燃料ブームによる大豆などの価格高騰による飼料価格の上昇が、畜産農家の経営を圧迫しているという実情を受けたものであり、欧州経済社会委員会(EESC:European Economic and Social Committee、EU委員会の諮問機関)の提案によるものとしている。
EU農業相会議は6月12日、有機農産物に対する0.9%以下の遺伝子組み換え作物の「意図せざる混入」を認めるという新たな政策を承認した。反対は、ベルギー、ハンガリー、ギリシャ、イタリアの4カ国のみであったとしている。
農水省と厚労省は6月13日、5月13日から28日にかけて実施した米国の対日牛肉加工施設への“現地査察”について大きな問題はなかったとする報告書を公表した。報告書では、「現場の作業状況については、施設内へ立ち入り、対日輸出処理、デモンストレーション及びインタビューにより以下の事項について調査した」としているが、今回“査察”の対象となった27施設全てでこの現場立ち入りが行われたかは不明である。
農水省と厚労省は6月13日、先ごろ終了し「問題なし」と“判定”した米国の対日牛肉加工施設に対する“現地査察”説明会を開催すると発表し、参加者の募集を始めた。
ETC Groupは6月7日、J. Craig Venter Institute, Inc.が米国で出願した特許について非難する生命を発表した。ETC Groupによれば、「最小の細菌遺伝子(Minimal bacterial genome)」と題したこの特許は、世界初の人工生命体だという。
朝日新聞は5月9日、「21・23カ月BSE牛、感染性確認できず 国の研究班」と題して23ヶ月齢(8例目、非定型BSE)と21ヶ月齢(9例目、若齢型)の2頭の若齢BSE感染牛による感染性試験の結果を報じた。この研究についての報告書が5月31日開催された食品安全委員会プリオン専門調査会で参考資料として公表された。これによれば、特殊なマウス(ウシ型PrP過発現マウス)を使った実験で、83ヶ月齢(6例目、定型BSE)では感染性が確認されているが、若齢の2例のどちらからも感染性は確認できないとしている。
カナダのCBCニュースは6月1日、カナダ連邦議会にターミネーター禁止法案が提出された報じた。これは5月31日にNDPにより提出されたもので、ターミネーター種の試験栽培と同時に商業栽培を禁止するものという。
国連食糧農業機関(FAO)は6月7日、バイオ燃料需要の高まりによる穀物価格上昇の結果、2007年の輸入価格は前年比5%アップの4千億ドルを上回るという世界的な食料見通しを発表した。この価格上昇の多くは、バイオ燃料の原材料となるトウモロコシなどの穀物や植物油によるもので、前年比13%アップすると見込んでいる。また、この報告書は、こうした価格上昇は、貧しい途上国を直撃し、前年比10%の支出を強いられ、途上国の食料輸入コストは、2000年に比べ90%以上アップするが、先進国のそれは22%アップにとどまり、際立った対照を見せている、としている。
米国科学アカデミー(National Academy of Sciences)の電子版は6月4日、農薬が土壌中の根粒菌の働きを妨げ、豆類の減収の原因となっているとの研究を報じている。
バイテク普及会は6月1日、フィリピンにおける遺伝子組み換えゴールデンライスが2011年に実用化される、とその開発状況を報じている。
農水省は6月8日、5月17日に見つかっていた証明書のない米国産の牛内蔵肉(センマイ)についての米国農務省の調査報告書を公開した。この混入は、カーギル社フォートモーガン工場から出荷されたレバー(約18トン、2899箱)に証明書に記載のないセンマイ1箱が混入していたもの。
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンは6月7日、農業生物資源研究所で開発中の花粉症緩和GM米についての公開質問状とその回答を公開した。この公開質問状は、同キャンペーンが5月9日に農水大臣と日本製紙に宛てて出し、両者は期限の5月21日付けで回答していた。
食品安全委員会は6月7日、ダウ・ケミカル日本の遺伝子組み換えトウモロコシ6275系について食品として安全であるとの見解をまとめ意見募集を始めた。このGMトウモロコシは、害虫抵抗性と除草剤(グルホシネート)耐性を兼ね備えたもので、2006年5月に生物多様性に関する承認を得ている。
NPO法人民間稲作研究所はこのほど、同研究所で開発した有機稲作の実際を、代かきから収穫まで1年にわたって丹念に追った映像記録『これからの昔の米づくり −よみがえる いのち育む 有機稲作−』を刊行した。。同研究所ではこの記録を、有機稲作の栽培技術の指導書、マニュアルとして活用して欲しいとしている。詳しくは同研究所まで。
米国司法省は5月31日、モンサント社による米国のバイテク種苗会社であるデルタ・パインランド社(Delta and Pine Land)の買収を条件付で承認した。この買収によりモンサントは、デルタ・パインランド社の持つターミネーター技術を手に入れることになる。
農水省と環境省は6月5日、カルタヘナ法に基づく花粉症緩和GM米など2品種の隔離圃場における第一種使用規定についての承認に向けて意見募集を始めた。
キッコーマンは6月1日、米国より輸入した大豆製品の一部にガンマ線照射した原材料がふくまれるとして製品回収を発表した。この発表によれば、同社は5月25日に、輸出先である米国Van Drunen Farms(ヴァン ドゥルネン ファームズ社)の子会社 VDF/Future Ceuticals 社から、出荷した原料の一部にガンマ線が照射されていた可能性があると連絡を受け、保健所に報告したとしている。
米国食品医薬品局(FDA)は4月4日、放射線照射した食品の表示に関して、照射によって実質的に変化がない限り表示不要という方針を打ち出し、7月3日まで意見募集(パブリック・コメント)を実施している。
除草剤耐性の遺伝子組み換え作物の商業栽培が始まって10年、世界各地でグリホサート系のラウンドアップなどの除草剤の効かないスーパー雑草の出現が問題となっている。ネイチャーは5月24日、これまでグリホサート系除草剤とは異なる有機塩素系除草剤ジカンバに耐性のある「次世代」遺伝子組み換え作物の開発について報じた。このジカンバ耐性作物により、現在、グリホサート耐性雑草に直面している農家に新たな選択肢を提供するとしている。