最終更新日:2013年4月6日
2013年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年

2013年4月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2013年4月の記事
2013.04.20 No.558
2013.04.15 No.557
2013.04.09 No.556
2013.04.06 No.555
2013.04.03 No.554
2013.04.02 No.553
2013年3月の記事
2013.03.27 No.551
2013.03.22 No.550
2013年4月

2013.04.06 No.555
■世界的な肥満の増加を招く食料価格の高止まり
 食料価格推移

 世界銀行は3月27日、食料価格が高止まりのままであれば、世界的な肥満の増加を招くと警告するレポートを公表した。

 現在、食料価格は6ケ月間連続で下がっているとは言え、依然として高いレベルにある。トウモロコシや米、小麦などの価格は2005年と比較して、ほぼ2倍にまで上昇している。こうした状況が続いた場合、途上国を中心により安価で高カロリーのジャンクフードに流れ、2030年の肥満人口は11億人へと、2008年の5億8千万人から倍増すると予想している。

 ・世界銀行, 2013-3-27
  Food Price Watch(レポート本文)

 世界銀行のレポートは、次のように分析している。

  • 低所得者は、米国のジャンクフードに象徴されるような、低価格で高カロリーの食品を選択する傾向がある。
  • 1980年代からの30年で、世界的には肥満人口は約10%までにほぼ倍増している。
  • 一方、栄養不良は、90年の約20%から10数%まで約3分の2に低下している。
  • こうした肥満の増加傾向は続き、今後20年で倍増する。
  • 中国、中南米、サブサハラ地域では、ほぼ3倍に増加する。

 米国が遺伝子組み換え作物やGM食品を輸出する一方、より高品質の有機農産物を輸入するような状況の一方で、世界銀行の警告する安価で高カロリーの食料と肥満の増加の予想は対応している。食料貿易のグローバル化が、食の健全性と貧富の差が対応する構造的な状況を進展させる原因となっているといえよう。