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中国農業省はこのほど、8月17日で期限切れとなる害虫抵抗性Bt遺伝子組み換えイネとGMトウモロコシの栽培許可の延長を行わないと決定したと、20日付けの米国科学振興協会(電子版)が伝えた。
中国は2009年8月、華中農業大学(湖北省武漢市)で開発された2種類のBtイネの栽培を承認し、商業栽培も間近と報じられていた。
今回の試験栽培の延長中止の理由は明らかではないが、一般市民のGM食品への懸念が理由の一つと考えられるという。別の理由として、米の自給を確立した中国が、もはやBtイネを必要としていないとの見方もあるとしている。
China pulls plug on genetically modified rice and corn
中国政府がGM食品から距離を置きつつあることが、今回の決定の背景にあると思われる。中国政府はこの数年、GM開発費を急減させている。中国は、2008年に260億元(4400億円)の資金投入を決定したGM開発12カ年計画に基づき、2010年には20億元(340億円)を投入しているが、2013年には4億元(70億円)と8割も急減している、とロイターが報じている。また、いくつかの政府機関や解放軍関係の調達する食品からGM由来食品の排除も行われている模様だ。
今回の決定により、中国でのGMイネの商業栽培は、ほとんどその可能性がなくなったように思われる。
● 農業省:公式に違法GM米の流通を認める
中国の国営テレビ局の中央電子台(CCTV)は7月26日、未承認の違法な遺伝子組み換えの米が、湖南、安徽、福建の市場に出回っているが回収は困難、とする上海のある食品加工企業役員の証言を放送した。最近、武漢で調べられた米5袋中3袋が違法なGM米であった、と報じられている。
EUは昨年、中国からの輸出米より未承認GM米の検出が25回と通報している。この数年、日本では見つかっていないものの、2006年から09年にかけて、約600トンの未承認GMの米粉やビーフンが見つかっている。
こうした違法GM米の流通に対して中国農業省は7月29日、違法GM米に対する「許容度ゼロ」の方針堅持を表明した。規則を無視してGM米を栽培したり販売する、いかなる企業や個人も罰するとの声明を出した。
・新華社, 2014-7-29● Bt米が白血病多発の原因か?
Btイネを開発した華中農業大学では、Bt米による白血病多発疑惑が出ている。同大で試験栽培されたBt米を学食で食べるように要求された学生の中から、通常の3倍となる白血病患者が出ていると報じられている。通常10万人に2,3人の発症率であるにもかかわらず4年で10人が発症。発症率は約3倍であるという。
・Sustinable Pulse, 2014-8-14【関連記事】
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