

遺伝子組換え食品に慎重な姿勢を示している中国はもとより、韓国や台湾もGM食品表示強化に動き出している。混入率3%の韓国は、全成分表示の義務化の方針を明らかにし、混入率5%の台湾は6月より3%に引き下げられる模様だ。日本だけがGM表示は制度としてで大きく立ち遅れている。
WHO専門機関の国際がん研究機構(IARC)は3月20日、モンサントの除草剤ラウンドアップの主成分グリホサートについて、マラチオンとジアジノンと同時に「ヒトに対する発がん性がおそらくある」とするグループ2Aに位置づけると発表した。
この決定に関しIARCのメンバーは、家庭での使用よりも農業労働者への影響が最大の懸念だと語ったという。また、米国環境保護庁もこの決定を考慮するとしているという。ラウンドアップは、モンサントの上層材耐性遺伝子組み換え作物(ダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ)に大量に使用されている。
「ラウンドアップは飲んでも大丈夫」

遺伝子組み換えゴールデンライス推進ロビイストのパトリック・ムーアはこのほど、仏テレビ局Canal+のインタビューで、「ラウンドアップは安全。1リットル飲んでも安全」と強弁した。この発言に対してインタビュアーが「グリホサートが少しあります。飲み干せますか?」との問いかけに、「私はバカじゃない」と慌てて逃げ出し、醜態をさらした。インタビューしたCanal+が映像を公開した。モンサントのグリホサートについて、WHOの専門機関である国際がん研究機構(IARC)が、「発がん性がおそらくある」とするA2にランクしたばかりだ。
輸入禁止5県以外に産地偽装

台湾の厚生福利部食品薬物管理署は3月24日、日本産加工食品283種類の産地が、福島など輸入禁止の5県以外に偽装されていたため、輸入業者に回収を命じたと発表した。台湾は、福島第一原発事故に伴い、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県からの食料品の輸入を全面的に禁止している。
農水省は3月25日、「栽培用種子を対象とした遺伝子組み換え体検査法について」と題するGM種子の検査法に関して、栽培が認められていないパパイヤ、ワタ、アマの種子の輸入時の検査についての解説をHPに掲載した。
ワタ種子は高率でGM汚染

ワタ種子袋
農水省は1月20日、カルタヘナ法による輸入種子・苗の遺伝子組み換え汚染に関する植物防疫所での検査結果を公表した。14年度のワタ種子のGM汚染が、8件中7件がGM種だったという異常に高率な結果となっている。
厚労省は3月20日、東北・関東など17都県の放射性セシウム検査の対象品目の見直しを発表した。この見直しにより検査品目は、昨年3月の67品目から43品目へ縮小し、昨年の約6割となった。放射性セシウムをほとんど検出しなくなったキノコ・山菜を除く野菜類の検査品目はゼロとなった。今回から、茶も除外される。

米国マクドナルドは3月4日、同社の使用するチキンを全て抗生物質を使わない米国産に転換する発表した。2年以内に全量を切り替えるとしている。この決定は米国のみであり日本では実施されない模様だ。
兵庫県は2月24日、未承認の遺伝子組み換え米(Bt63)が検出された輸入ビーフンの回収を命令したと発表した。このビーフンは、フランチャイズで「業務スーパー」展開する(株)神戸物産が輸入し販売したもので、1234カートンが対象だとしている。

MSTの直接行動。Youtubeより
製紙原料用の遺伝子組み換えユーカリノキの商業栽培への反対が高まっていたブラジルで3月5日早朝、ブラジルの土地なし農民運動(MST)に組織された約1千人の女性たちは、ブラジルサンパウロ州イタペチニンガにある製紙会社のスザーノ・カンパニーを占拠し、同社の子会社であるフューチャー・ジーン社が開発中のGMユーカリノキの苗を廃棄した。また、この日開催されたブラジル国家バイオ安全技術評議会(CTNBio)は、ビア・カンペシーノの農民300人の抗議で流会し、GMユーカリノキなど3種類のGM植物の栽培承認が延期された。
北海道は14年11月、2014年度の遺伝子組み換え作物などに関する道民意識調査結果を公表した。GM作物やGM食品を「不安」に思う人が約8割を占めた。こうした多数の不安の一方では、TPPを見越したかのように、GM作物やGM食品が頻繁に承認されている。
スギ花粉症を引き起こす抗原を全て、遺伝子組み換えで組み込んだ「スギ花粉症治療米」の臨床研究が、2月から慈恵医大で始まった、と日本経済新聞が報じた。マウスでは安全を確認しており、健康な人での安全性を確認した後、臨床試験(治験)に進めたいとしている。すでに、このGM米が狙うスギ花粉症減感作療法薬の販売が始まっており、GM米がどこまで許容されるか疑問だ。
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