最終更新日:2016年06月23日
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[農薬]
■厚労省 チアメトキサムの残留基準値を緩和
厚労省は6月7日、ネオニコチノイド系農薬の一つチアメトキサムの残留基準値の緩和を官報に掲載した。日本では登録のない玉ねぎの輸入に関しての申請に対応したもの。申請以外のトウモロコシ、その他なす科野菜、アボガドも、国際基準(コーデックス)に合わせる形で緩和した。乾燥トウガラシについては、これまでの7ppmを取り消したため、一律基準0.01ppmが適用される。
● 残留基準値変更:チアメトキサム [ppm]
・食品衛生分科会農薬・動物用医薬品部会, 2015-12-15
品 目 | 新基準値 | 変更前 | 国際基準 | 米国基準 |
---|---|---|---|---|
たまねぎ | 0.02 | ― | 0.03 | |
トウモロコシ | 0.7 | 0.05 | 0.7 | |
その他なす科野菜 | 3 | 2 | 3 | |
アボガド | 0.5 | ― | 0.5 | |
乾燥トウガラシ | ― | 7 | 7 |
厚労省は基準値の設定に関し、国際基準(コーデックス基準)を参照したほか、米国で認められた使用方法で行った残留試験成績を参照したとしている。また、「国際基準が設定されている場合、衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)により、原則として、国際基準に準拠することが義務付けられており、今回の改正もそれに従ったもの」として、自らによる規制強化の姿勢は見られない。
・厚労省, 2016-6-7今回残留基準値が緩和されたチアメトキサムは、EUでは13年12月より一時使用禁止となっている。フランスとスウェーデンは禁止、米国は新規登録と変更を停止している。韓国もEUに準じて一時使用禁止となっている。
ネオニコチノイド系農薬のイミダクロプリドとニテンピラム、浸透性のフィプロニルについて適用拡大申請がなされ、食品安全委員会は今年に入りそれぞれの評価書を決定している。近く、厚労省の審議会部会に残留基準値の変更が提案される模様だ。これまでの流れからすれば、残念ながら、規制強化とはなりそうにもない。
2016-01-26 フィプロニル評価書決定
2016-04-05 イミダクロプリドとニテンピラム評価書決定
No.700 ネオニコ系農薬:世界的には規制強化の流れ
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