最終更新日:2016年07月09日
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2016.07.09 No.713
[農薬]
■英国 ネオニコ系農薬の緊急使用申請を却下
5704184631_e255439e9c_m.jpg on Flickr
セイヨウナタネの畑 / Andrew Hill on Flickr

 英国の環境・食料・農村地域省(DEFRA)はこのほど、全英農業者連盟(NFU)が申請した、ナタネに対するネオニコ系農薬の緊急使用の申請を却下した。DEFRAは5月、NFUの最初の申請を却下していたが、NFUはイングランドの限られた地域に限定して再度申請していた。英国政府は昨年秋の播種期、NFUの申請したネオニコ系農薬使用を承認していた。

 NFUは、ナタネの害虫トビハムシの予想される被害に対して、シンジェンタのクルーザーOSR(チアメトキサム)とバイエルクロップサイエンスのモデスト(クロチアニジン)の限定的な使用を申請していた。しかし、NFUの申請したデータには、ナタネの収穫がトビハムシの被害を受け減収となる証拠がなかったという。

 NFUはこの決定を受けて7月5日、ナタネ栽培農家にとって期待はずれのニュースであり、この秋にネオニコ系農薬が使えないことでトビハムシの大きな被害が出るとする声明を発表した。

 NFUの申請した2つのネオニコ系農薬のチアメトキサムとクロチアニジンはイミダクロプリドとともに、EUが2013年12月よりミツバチへのリスク再検討の間、一時的に使用を禁止としている。しかしEUの規則は、非常時に限定して加盟国が禁止規則の適用を制限できるという抜け穴がある。

 ・Guardian, 2016-7-7  ・National Farmers Union, 2016-7-5

 大地の友・英国は「ミツバチと他の野生生物にとってすばらしいニュース」であり、NFUはミツバチに配慮した栽培方法に注力すべきだとする声明を出した。声明はまた、英国のEU離脱により自然保護政策が危機にさらされると警告した。

 ・Friend of Earth UK, 2016-7-5

 ● フランスはクルーザーを販売禁止

 EU加盟国の中でも農薬規制が進んでいるフランスは2012年6月、クルーザーOSRを販売禁止にした。フランス農業・水産省は発表で、ナタネの蜜中に残留しているこの製剤の有効成分である亜致死量のチアメトキサムにミツバチが暴露することで、ミツバチが巣に帰れなくなる可能性が否定できないことがその理由であるとした。

 ・食品安全委員会, 2012-7-2

 英国政府の決定は、7月7日に農水省が公表した「蜜蜂被害事例調査」と重ね合わせると、その姿勢の違いは大きい。日本の農薬行政には「予防原則」の概念がないのではないかと思えてくる。

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