最終更新日:2017年4月6日
2017年
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年

2017年4月
1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2017年4月の記事
2017.04.30 No.797
2017.04.29 No.796
2017.04.28 No.795
2017.04.27 No.794
2017.04.26 No.793
2017.04.18 No.792
2017.04.15 No.791
2017.04.14 No.790
2017.04.13 No.789
2017.04.12 No.788
2017.04.06 No.787
2017.04.04 No.786
2017年3月の記事
2017.03.31 No.785
2017.03.30 No.784
2017.03.29 No.783
2017.03.25 No.782
2017.03.22 No.781
2017.03.20 No.780
2017.03.17 No.779
2017.03.16 No.778
2017.03.14 No.777
2017.03.08 No.776
2017.03.07 No.775
2017.03.05 No.774
2017.03.04 No.773
2017.03.03 No.772
2017.03.02 No.771
2017年4月

2017.04.06 No.787
■欧米当局 相次いでシンジェンタ買収を承認

 中国化工集団(ChemChina)によるシンジェンタ買収について、米国とEUの規制当局は相次いで、条件付で買収を承認すると発表した。中国化工集団は2016年2月、シンジェンタを430億ドルで買収すると発表していた。先週、EU委員会はダウとデュポンの合併を条件付で承認していた。バイエルによるモンサント買収は審査が続いている。

 米国連邦取引委員会は4月4日、シンジェンタ買収を条件付で承認すると発表した。中国化工集団の子会社でジェネリック農薬で世界1位のアダマとシンジェンタの取り扱い農薬が競争状態にあるところから、米国におけるアダマのパラコート(除草剤)、アバメクチン(殺虫剤)、クロロタロニル(殺菌剤)事業の売却を承認の条件とした。アダマはイスラエルの農薬メーカーで、ジェネリック農薬では世界最大、農薬でも世界第7位。2011年、中国化工集団が株式の60%を取得し子会社としていた。

 ロイターによれば、中国化工集団は条件を受け入れ、アダマの事業をAMVAC(カリフォルニア)に売却することに同意したという。

 ・Federal Trade Commission, 2017-4-4  ・Reuters, 2017-4-5

 ダウ・ケミカルとデュポンの合併を条件付で承認したばかりのEU委員会は4月5日、中国化工集団によるシンジェンタ買収についてを、一部事業の売却を条件に承認すると発表した。EU委員会の声明では、中国化工集団は子会社のアダマの欧州のおける農薬事業の大半と、シンジェンタの一部農薬事業の売却が承認の条件という。EU委員会はダウ・ケミカルとデュポンの合併承認に関しても、デュポンの研究開発を含めた農薬事業の主要部分の売却とダウの2つの化学薬品の製造工場の売却を条件としていた。

 ロイターによれば、一時、売却されるアダマの農薬事業の買い手には、ダウとデュポンの合併で売却される一部事業を買収するFMCやBASFに加え、住友化学が取りざたされていたという。

 欧米当局の買収承認に関しシンジェンタは4月5日、ただ「承認を得た」とだけの声明を発表した。

 ・European Commission, 2017-4-5  ・Reuters, 2017-4-5

 このEU委員会のシンジェンタ買収承認について大地の友・欧州(Friend of Earth Europe)は4月5日、この合併が欧州の農民と環境、食物を脅かすものとする声明を発表した。声明では「少数の巨大な会社による世界の食物供給の簒奪を許すことは、農民や消費者、環境にとってよいことではなく、彼らの農薬ベースの農業で田園地域を荒廃を招く。EU委員会がより緑の農業を支持するのであるならば、巨大なバイエルのモンサント買収を阻止しなければならない」とコメントした。

 ・Friend of Earth Europe, 2017-4-5

 大地の友・欧州を含む欧州の200余りの農業団体やNGOは3月、EU委員会ユンカー委員長に、3つの農薬・種子企業の合併と買収を認めないように求める連名の公開状を送り、アグリビジネスとは逆の小規模で持続可能な生態系農業への支持と支援などを提案していた。この公開状は、合併・買収による3つの企業で世界の農薬の7割、商業的な種子の6割をコントロールすることになり、農業と食物システムに対して過度な支配力を持つことになると指摘。また、品種の多様性を減らし、農民の選択の自由と権利を害し農薬への依存を増やすこと、食糧主権への侵害、途上国での飢餓撲滅への打撃であるとも指摘した。

 ・Friends of the Earth Europe ほか, 2017-3-27
【関連記事】
カテゴリー
よく読まれている記事