最終更新日:2018年1月17日
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2018.01.17 No.884
■豪・NZ GMゴールデンライスを承認 商業化にはさらに10年?
Golden-Rice_6.jpg / Flickr
遺伝子組み換えゴールデンライス Rice / IRRI / Flickr

 オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は昨年12月20日、国際稲研究所(IRRI)の遺伝子組み換えゴールデンライス(GR2E)について、食品としての承認を発表した。国際稲研究所は昨年春、FSANZのほかフィリピンと米国、カナダにも食品としての承認申請を行っているが、いずれの当局もまだ承認していない。

 ・FSANZ, 2017-12-20

 開発にあたっている国際稲研究所はこれまでに、ゴールデンライスの収量があまりに低く、当面の商業化は無理だとしていた。2017年にはインド農業研究所(IARI)の研究者が、ゴールデンライスが戻し交配品種の収量が低下したという論文を発表し、「一からやり直し」という辛辣な評価も出ていた。国際稲研究所は現在、商業化にはさらに10年かかるとしていて、失敗と認めていない。ゴールデンライスの開発にはゲイツ財団などから多額の資金が投入されている。

 ・IRRI  ・IRRI

 ゴールデンライスは20年ほど前、元々イネには含まれていないベータカロテンを遺伝子組み換えによって作り出すようにしたもので、途上国に多いビタミンA欠乏症への効果的な対抗策という触れ込みで登場してきた。しかし、そもそもビタミンA欠乏による失明などは、きちんとした食事がとれない経済格差、貧困に問題があるとして痛烈な批判を受けてきた。

 フィリピンではこれまでも小規模の試験栽培が行われてきたが、交雑を懸念する遺伝子組み換え作物反対の農民や市民による実力行使もおこなわれている。2013年8月には、試験圃場への抜き取り行動が取り組まれている。2014年にはゴールデンライスの試験栽培がおこなわれているフィリピンやインド、インドネシア、ベトナムの農民組織などが「STOP GOLDEN RICE! Network」を設立し、国際的な連帯で反対運動を展開している。

 ・Grain, 2017-4-20  ・MASIPAG, 2017-11-8

 ゴールデンライスの開発には、特許を持つシンジェンタは表には出ていない。国際稲研究所などは、ビタミンA欠乏症対策といった「人道的」なイメージを前面に出すことで、その商業栽培を実現しようとしている。

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