最終更新日:2018年8月6日
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2018.08.06 No.957
■プラゴミが温室効果ガスの発生源 新たなリスク要因
black-multi.jpg
農業用マルチもマイクロプラスチックに分解。その途中、温室効果ガスを放出する

 米国ハワイ大学の研究チームはこのほど、ペットボトルの原料であるPET(ポリエチレンテレフタレート)やレジ袋の原料でもあるポりエチレンが環境中で劣化し、温室効果ガスのメタンやエチレンを放出するという「予期しない結果」を得たと、米科学誌プロスワンに発表した。

 研究チームは、食品保存や織物、建材などいろいろなプラスチック製品の原料となるポリカーボネート、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)の7種類のプラスチックについて試験した。その結果、いずれのプラスチックも、劣化してメタンやエチレンを放出を確認したという。中でも、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、PETの順に2つのガスの放出が多かったという。放出量の最も多かった低密度ポリエチレンは、農業用マルチなどにも使われている。

 研究チームはまた、低密度ポリエチレン(LDPE)のペレットからガス放出が長期間続き、放出ガスが増加することを確認したとしている。そして、海洋で発見された低密度ポリエチレンの破片からも、太陽光にさらされ温室効果ガスを放出することを発見したという。日中、太陽光にさらされた低密度ポリエチレンからのガス放出は夜間も続いたという。

 研究チームのデビット・カール教授は、「プラスチックがより多く生産され、環境中に蓄積されることで、気候に関係する微量ガスの発生源となる。この排出源は、地球規模のメタンとエチレンのサイクルを評価にはまだ考慮されておらず、大きな影響を与えるかもしれない」と述べている。

 ・PLOS ONE 2018-8-1  ・University of Hawai'i, 2018-8-1  ・AFP, 2018-8-2
試験されたプラスチックの主な用途
プラスチック 用 途
ポリカーボネート 透明窓材・容器・CD盤・食器
アクリル 透明窓材・繊維・絵具
ポリプロピレン 容器・ストロー・不織布・ロープ・魚網
ポリエチレンテレフタレート(PET) ペットボトル・繊維(フリース)・フィルム
ポリスチレン 発泡スチロール・容器・シート
高密度ポリエチレン(HDPE) 容器・運搬用コンテナ・レジ袋・ブルーシート
低密度ポリエチレン(LDPE) 農業用マルチ・緩衝材

 プラスチック廃棄物汚染の地球環境への影響は、海洋生物多様性へのリスクや、魚や貝などに取り込まれることで食品に混入し、有毒物質や内分泌かく乱物質が食品中に溶出するリスクに加え、これまで考慮されていなかった温室効果ガスのリスクが加わったことになる。

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