最終更新日:2021年2月24日
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■グリホサート 30年前に禁止の危険な農薬汚染を増加させる
バナナ農園(西インド諸島=2019年) / St. Lucia Bananas / Flickr
フランス農業開発研究国際協力センター(CIRAD)などの研究グループは1月28日、グリホサートの使用による土壌浸食の結果、バナナ農園で使われ、1993年に禁止された土壌中の難分解性の有機塩素系殺虫剤クロルデコンが放出されているという研究結果を専門誌に発表した。
フランス領西インド諸島のグアドループ島とマルティニーク島では、この20年ほど、環境中の有機塩素系殺虫剤のコロルデコンが有意に増加しているという。西インド諸島のバナナ農園で食葉害虫のバナナゾウムシ防除のためにクロルデコンが使用されていたが、1993年にその発がん性のために使用が禁止された。一方、1990年代後半に除草剤グリホサートが多く使われるようになって以降、クロルデコンにより生態系が広範囲に汚染されたことが明らかになったという。
研究グループによれば、グリホサートが植物の根を枯らすことで土壌浸食を引き起こし、その結果、土壌中のクロルデコンが環境中に放出されるようになったという。研究者たちは、生態毒性学的リスク管理戦略は、グリホサートの散布が土壌中の農薬の持続的な貯蔵、移動の動態、広範囲の汚染にどのような影響を与えるかを考慮に入れるべきである、と結論づけている。
フランス西インド諸島では、この有機塩素系殺虫剤クロルデコンは1972年から1993年まで、バナナゾウムシ防除のためにバナナ畑に広く散布されていたが、その後禁止されたという。
・Environmental Science & Technology, 2021-1-28 ・Environnement, 2021-2-18カテゴリー
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