最終更新日:2022年7月16日
2022年
1月
2月
3月
4月
10月
 07年 08年 09年 10年 11年
 12年 13年 14年 15年 16年
 17年 18年 19年 20年 21年
 22年 23年 24年
2022年7月
12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31
最近の記事
2022.12.29 No.1152
2022.12.25 No.1151
2022.11.30 No.1150
2022年7月の記事
2022.07.28 No.1139
2022.07.27 No.1138
2022.07.16 No.1137
2022.07.13 No.1136
2022年6月の記事
2022.06.29 No.1135
2022.06.28 No.1134
2022.06.27 No.1133
2022.06.26 No.1132
2022.06.17 No.1131
2022年7月

2022.07.16 No.1137
■日本製即席麺から発がん性物質酸化エチレンを検出 台湾
220705_Taiwan_Ethylene Oxide.jpg
台湾衛生福利部食品薬物管理署のHPより

 台湾衛生福利部食品薬物管理署は、7月5日付けでエースコックの「黄金色の塩ラーメン」から酸化エチレン(エチレンオキシド)33.763ppmを検出したと公表した。今年5月以来、7月12日までに台湾で見つかった酸化エチレンが残留した食品は、即席麺14品目、アイスクリーム2品目(ハーゲンダッツ)の合計16品目となっている。日本では、酸化エチレンはすでに登録が失効した殺虫剤であり、残留基準値は設定されていない。

 即席麺の黄金色の塩ラーメンから約34ppmが検出されたエースコックは、サイトを見る限り、15日現在、何らコメントしていない。

 フィリピンのモンデ・ニッシン(日清食品とは無関係のフィリピン資本)は7日、同社の即席麺 Lucky Me! から酸化エチレンが検出されたことで、台湾とEUで回収されているが安全であるとの声明を出した。

 ・台湾衛生福利部食品薬物管理署  ・Monde Nissin, 2022-7-7  ・Phil Star, 2022-7-7

 1994年、国際がん研究機関(IARC)は、酸化エチレンについて「ヒトに対して発がん性がある」グループ1に分類している。

Cancer_EthyleneOxide.png
 
 ・厚労省, 2018-3
  優先評価化学物質のリスク評価(一次) 人健康影響に係る評価II 有害性情報の詳細資料

 今回、台湾で酸化エチレンが見つかったエースコックの即席麺は、同社の関西滝野工場で生産されたという。これまでにもエースコックの製品から酸化エチレンが検出されている。2021年8月、ベトナムの現地法人で生産されアイルランドに輸出された製品から、酸化エチレンが検出され回収措置となっている。この時、Acecook Vietnamは、いかなる生産プロセスでも、酸化エチレンの使用を許可していないとして、調査中とコメントしている。

 ・VN Express, 2021-8-28

 酸化エチレンは1997年の26Kgを最後に農薬としては出荷がなくなっている。農林水産消費技術センターの登録・失効農薬情報によれば、農薬としての登録は2007年にメーカーの液化炭酸が「今後も(生産、販売)の予定がない」として登録を取り消したのを最後に酸化エチレンとしての登録はない。

 しかし、酸化エチレンの環境への排出葉続いている。化学物質の排出量をまとめているPRTR制度による集計では、2019年に220トンが排出されている。酸化エチレンがすべての微生物に殺菌作用があることから、医療用機器などの滅菌処理に利用されているという。

 ・国立環境研究所

 酸化エチレンは、米国やカナダ、インドなどでは依然農薬として使用されているが、EUでは禁止農薬となっている。EUでは昨年、インド産のゴマから基準を大きく上回る30ppmの酸化エチレンが検出され回収措置がとられたという。EU当局の原因分析では、サルモレラなどの汚染防止で、酸化エチレンによる燻蒸処理が行われているのではないかとみられているという。

 ・ジェトロ, 2021-9-24
カテゴリー
よく読まれている記事